-Could “Joker” inspire real-world violence?-
ジョーカー俳優ホアキンの「ジョーカーが暴力を誘発するか」についての反論
先日、電車内で恐ろしい事件が起こりました。
https://bunshun.jp/articles/-/49873
電車内での犯罪行為が近年増えているように感じられますが、今回の事件は犯人が「ジョーカーにあこがれている」と供述している点も特徴です。
そこに関する議論は置いておいて、主演のホアキンフェニックスがタイトルにあるような懸念について語った内容を、授業用に文法解説してみます。
“Well, I think that, for most of us, you’re able to tell the difference between right and wrong. And those that aren’t are capable of interpreting anything in the way that they may want to. People misinterpret lyrics from songs. They misinterpret passages from books. So I don’t think it’s the responsibility of a filmmaker to teach the audience morality or the difference between right or wrong. I mean, to me, I think that that’s obvious.”
https://www.ign.com/articles/2019/09/25/joker-dangerous-movie-joaquin-phoenix-todd-phillips-interview
主な内容はこのような感じです。
「大抵の人は善悪の区別がつくが、そうじゃない奴は歌だろうと小説だろうと、なんでも都合のいいように解釈するし、観客に道徳や善悪の判断を教えるのは、映画の役割じゃないよ。」
といったところです。この言葉の後にも、「ヤバいやつにとっては何が起爆剤になるかわからない。」とも語っています。
インタビュー自体は2年近く前のものですが、今取り上げることにも意味があるのではないかと思います。
このインタビューのなかで特に取り上げたい文法が、関係詞とit~to…構文です。ぱっと見分かりづらい表現も、意味と共に理解すればしっくりきます。
では見ていきましょう。
those that aren’t are capable of interpreting anything in the way that they may want to.
この一文には関係代名詞が二つ使われています。
those that aren’t とは、「そうではない人々」という意味です。thatは主格の関係代名詞。前の文、分別のある人々を受けて、分別の無い人々のことですね。
aren’t areとbe動詞が続くので、後ろの動詞が文全体の述語動詞です。動詞+動詞という語順はありえませんからね。
なので関係代名詞がパッと分からなくても、be動詞が二つ続いている点で、後ろが述語動詞と判断し、前のbe動詞は主語に掛かっていると考えれば、あとは意味が推測できるのではないでしょうか。
二つ目は後半の in the way that they may want to です。
意味は、「彼らがしたいと思う方法で」です。
in the way →その方法で、ときて「どんな方法?」という不足情報をthat以下で補っています。
they may want to interpret in the way.
がもとの文でしょう。interpret はこのインタビュー全体のテーマとなっている言葉なので、重複を避けて省略されています。
I don’t think it’s the responsibility of a filmmaker to teach the audience morality or the difference between right or wrong.
「観客に道徳や分別を教えるのは映画の作り手の責任であるとは思わない。」がこの英文の意味です。
まず、I don’t think で「私は思わない」→何を?の不足情報をそれ以後で説明しています。
I think~ときたら大抵 that が省略されています。なので今回はI don’t think (that) it’s the responsibility~ です。
では that以下ですが、it’s the responsibility of a filmmaker で「それは映画の作り手の責任である」となります。
「それは」って何?の補足説明が to teach~です。「観客に道徳や分別を教えること。」ですね。
これは It is ~ to do の構文です。「to do するのは~だ。」の形で覚えます。
以上です。
社会的な難しい話題でも、よく見ると中学レベルの英文法でズバッと話すことができますね。